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渡辺貞夫健在なり ニューアルバム「PEACE」

渡辺貞夫/『PEACE』

 サックス奏者、渡辺貞夫はまさに日本ジャズ界のレジェンドです。初のリーダー・アルバムは1961年。その後、ボストンのバークリー音楽院(現在のバークリー音楽大学)に留学し、現在に至るまで日本のジャズの発展に寄与、常に最前線で活躍してきました。
 私が聴き始めたアルバムは、私の先輩にあたる鈴木良雄や増尾好秋がメンバーだった1969年から70年代中頃です。とくに影響を受けたのはフュージョン・ジャズ路線が新鮮だった『マイ・ディア・ライフ(1977年)』や『カリフォルニア・シャワー(1978年)』などですが、それ以降も内外の敏腕ミュージシャンとの共演盤がいつも話題になっていました。
 2005年の『愛・地球博』において、世界中から集まった400人の子供たちと国境や文化を越えた歌とリズムの共演という長年の夢を実現させたことも大きな話題でした。加えて、レコーディングや演奏活動で世界各国を旅するとき、傍らにはいつもカメラがあったこともよく知られています。とくにアフリカの風景や子供たちの写真はとても印象に残っています。あのトレードマークともいえる笑顔とともに、日本を代表する文化人ともいえるのです。
 さて、91歳になるレジェンドの7年ぶりのニューアルバム『PEACE』は白眉の出来栄え。彼のサックスの音色を聴きながら、あなたは何を想うのでしょうか。。きっと、ゆったりとした時が流れることでしょう。

CD=VICJ-61795

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船守秀一(音楽プロデューサー・http://www2.odn.ne.jp/obbligato/)

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