2022年10月の話題

過去の話題一覧

「手賀沼」舞台に校外学習
多彩なプログラムで本格始動

果樹農園「ピュアファームあかり」で梨を収穫

 手賀沼の自然環境や歴史、農業、漁業などを生かした小中学校対象の体験学習プログラム「手賀沼スクールヤード」が、今年度から本格的にスタートした。スクールヤードは「校庭」の意味。林間学校などで「手賀沼を校外の学び場に」してもらう。柏市立藤心小学校の林間学校に同行し、体験学習の様子を追った。

柏市立藤心小5年生の林間学校に同行

 9月14日、朝9時。柏市泉の果樹農園「ピュアファームあかり」に、藤心小の5年生26人と引率の先生がバスで到着した。前日は近くの「手賀の丘青少年自然の家」に宿泊。2日目のこの日は、2グループに分かれて体験学習をする。
 園主の村越幹夫さん(64)の話に耳を傾ける。手賀沼周辺でも、農業従事者の高齢化や後継者不足などによって作物が栽培されていない「耕作放棄地」が増えているという。この果樹園も耕作放棄地だった。3年がかりで復活させ、梨が収穫できるようになるまで5年かかったそうだ。
 同園では梨を中心にプルーン、キウイフルーツ、ブドウ、ミカン、栗などさまざまな果物を試験栽培している。3~5年かけて気候変動による影響などを調べ、栽培に適した品種を見つける。うまくいけばフルーツパークにして地域農業の活性化につなげたい、というのが村越さんの構想だ。

農家のお手伝い

 梨の収穫はほぼ終わっている。残った「豊水」を全部収穫するのが、子どもたちの「お手伝い」だ。疲れた木を早く休ませ、来年に備えたいという。
 「梨は無理に引っ張らずに、持ち上げるようにすれば簡単にとれるよ」。村越さんから教わった通りにやってみる。「とれた!」。園内のあちこちから歓声が上がる。引率の田口雄二校長(55)は「動画で何でも調べられる時代ですが、体験することの大切さを改めて感じました。子どもたちの目の輝きが違います」。
 コンテナ5箱分の梨を収穫した児童はこのあと、柏市箕輪新田の「道の駅しょうなん」に移動。商品化できない梨を使ってジャムづくりに挑戦した。
 皮をむき、細かく刻んで煮詰めていく。トロトロになった梨を煮沸消毒した瓶に詰め、再び煮沸して殺菌すれば完成だ。講師の古川和子さん(61)は「商品にならない梨でジャムをつくれば、フードロスの削減にもなります」。

釣り・炭起こし

 もう一つのグループの27人は、柏市曙橋の「手賀沼フィッシングセンター」でニジマス釣りに挑戦。班ごとに炭を起こして塩焼きにし、昼食のバーベキューと一緒に舌鼓を打った。
 世界を変えるための17の目標「SDGs」について考えることも、林間学校の目的の一つだった。手賀沼をきれいにするためのさまざまな取り組みや、家庭でできる浄化対策などはSDGsの「ゴール」とつながっている。
 手賀沼スクールヤードを企画・運営する「EDGEHAUS」(柏市)の奥手賀ツーリズムによると、学校からの要望に応える形で昨年、近隣の4校に稲刈りや落花生の収穫などを体験してもらった。本格始動した今年度は柏、我孫子、松戸3市の計16校が林間学校などを実施予定という。
 林間学校を近隣で実施することについて、同社の八山美里さんは「移動時間を体験時間に変え、緊急時でも学校や家の近くで対応しやすく、学校や個人でも繰り返し訪れられるメリットがある」と話す。
 コロナ下の校外学習が変わりつつある。

SDGs わが街の一歩 持続可能な開発目標21

物を大切にする心を育む
「我孫子おもちゃの病院」活躍中

 「おもちゃの修理」を通して、子どもたちの「物を大切にする心」を育みたいと2013年、村上直哉さん(院長)ら有志による「我孫子おもちゃの病院」がスタート。メンバーは現在19人。地域社会に貢献して豊かな人生を送りたいという熱い思いで活動を展開中だ。
メンバーの一人、おもちゃドクターとして活躍中の福岡豊安さんは、「おもちゃを分解するのは頭の体操になる。難しいおもちゃを修理できた時の喜びは格別」と話す。

おもちゃドクター養成講座(初級編)受講生10人募集!
 10月29日(土)、30日(日)9時~17時(2日間で1講座)。場所は我孫子市近隣センターこもれび。受講料無料、教材費4600円。申し込みは「我孫子おもちゃの病院」ホームページ。または、TEL04(7188)3282 福岡さんへ。

流山市11/11(金)~17(木)紫焔窯40周年記念
流山で陶芸展開催

 流山市で作陶を続けて40周年を迎える紫焔窯の記念展。窯元・田口佳子氏と会員の作品を展示。入場無料。
 土を練り、ろくろに向かい、窯をたいた40年間の日々を振り返って田口氏は「自己の表現をひたすら追い求めながら作陶を続けた毎日。『自分はどこにあるのか』問いは続く。陶芸とは、土を練る時、精神を集中し、ろくろに向かった時は描いた作品を一気に作り上げる。精神性の高い道」と話し、「これからはもっと心を昇華させ、時空を飛ぶように土と窯と共に生きていきたいと思う」と語る紫焔窯から生まれる作品の数々をご覧ください。

日時/11月11日(金)~17日(木)
10時~17時(初日13時から、最終日16時まで) ※11月16日㈬休館
場所/流山生涯学習センターギャラリー
 詳細は、TEL04(7197)3243 紫焔窯おおたかの森陶房へ。

千葉県№1の操法力
松戸市の消防団いざ!全国大会へ

全国大会に出場する五香方面隊第25分団(同団提供)

 第58回千葉県消防操法大会小型ポンプ操法の部で、松戸市消防団五香方面隊第25分団が最優秀賞を獲得し、松戸市初の全国大会出場が決まった。
 消防操法大会は、消防ポンプ自動車や小型動力ポンプの取り扱いと操作の技術力を競う。指揮者と操作員が任務を分担し、防火水槽からの吸水、ホースの延長、放水による標的落下までを操作基準に従って行う。ポンプ車操法は6人一組、小型ポンプ操法は5人一組。コロナ禍の影響で3年ぶりの開催だ。
 同分団の団員は現在、会社員や自営業など様々な職業の有志12人が所属。代表選手5人は幼い頃から仲が良く、気心が知れた仲間ならではのシンクロ率の高さが強みだ。副分団長の松本和哉さんは「訓練を積み重ね、たどり着くことができた。やるからには絶対に負けない。優勝旗を持ち帰ってきます」と意欲満々だ。
 ボランティアで地域の安心安全を見守る消防団は、全国的に団員数の減少が加速。「認知度が低く団員確保が難しくなっているのが課題。まずは地域との交流の場を設けてもらい、消防団を理解してほしい」と松本さんたちは呼びかけている。同時に「現場で共に活動する消防隊員や、警察官たちに団員一人ひとりの特徴などを覚えてもらい、スムーズな連携が取れるように活動を展開したい」と話す。全国大会は10月29日に千葉県消防学校で行われる。いざ、出陣だ。

10/21(金)~24(月)若林こうじ作品展
音のある絵本の出版も

1冊各1800円

 「明るいほうへ」 柏市在住で劇団風の子など児童劇団で活躍した舞踊家の故若林こうじさんが、亡くなる直前まで描いていた作品を、一周忌を前に妻のちえさんが音のある絵本として編集出版。舞台づくりの仲間たちも加わって、世界に一つだけのユニークな絵本「夢のかけら」「風船ぶた」が誕生。出版を記念した原画展が同市内の児童書店で開催される。
 仮面ライダーのショッカー役などで人気を博し、国内外の多数の舞台に出演。後進の指導にも尽力した若林さんの創作意欲は最後まで衰えず、「くり返しのけい古とあそびの中に夢のもとが生まれてくる」と、ほんわか心和む作品の数々。会期中、ちえさんによるパフォーマンスも楽しみ。

日時/10月21日(金)~24日(月)
11時~17時(最終日14時)
場所/ハックルベリー・ブックス※入場無料
 詳細は、TEL04(7100)8946 同書店へ。

11/5(土)6(日)ジャパンバードフェス
我孫子で2日間開催

 人と鳥の共存を目指して開催されてきた国内最大級の鳥の祭典。見る、知る、触れる、鳥を楽しむ2日間。鳥の彫刻展・絵画展・写真展や講演会、湖畔・船上バードウォッチング、工作教室など、鳥をテーマにした楽しいイベントや出展が盛りだくさん。ジャパンバードフェスティバル実行委員会主催。

日時/11月5日(土)・6日(日)9時30分~16時(11月6日は15時まで)
場所/我孫子駅南口駅前、アビイホール(イトーヨーカドー3階)、アビスタ、手賀沼公園 ※巡回バス、水上シャトルバスの運行なし。期間中「鳥の博物館」の入館料無料。
 詳細は、TEL04(7185)1484 同実行委員会事務局へ(平日8時30分~17時)。

好評!セナリオフェスタ
800人超の家族連れで「柏たなか」が大にぎわい

セナワンくんの周りに大勢の参加者

 新しい街の地域の輪作りを応援しようと広島建設によるセナリオフェスタが10月10日(月・祝)、セナリオハウスパーク柏たなかで行われ、約800人の家族連れが参加。吉田テニス研修センターのテニス体験や、チアダンス教室など、子どもたちは元気いっぱいエンジョイ。起震車体験のほか、ハンドメイド雑貨やキッチンカーも登場し、住民同士の交流する姿も見られ、笑顔があふれた。
 広島建設所属で2024パリパラリンピック陸上100㍍(T63)出場を目指す吉田知樹選手(22)によるかけっこ教室も行われ、大盛況。「腕をしっかり振って、膝を挙げるようなイメージで」とかけっこの秘訣を伝授し、一緒に走った参加者全員に金メダルを贈った。右足が義足の吉田選手の指導に小野結子さん(小1)は「ジャンプしている姿とかすごかった」と大興奮。吉田選手は「子どもたちに教えることで、いろいろ刺激を受けます」「パラリンピックに出場するには、100㍍で12秒台(自己ベスト13・54秒)が必要。来年の秋には出したい」と意欲満々だ。

栃木国体(障害者大会)へ出場
湖北特別支援学校3年の松本さん

松本吏功さん

 栃木県で10月29日から開催される栃木国体「第22回全国障害者スポーツ大会」に、県立湖北特別支援学校3年の松本吏功さんが男子走幅跳と50㍍走の千葉県代表として出場する。
 松本さんは小学4年生の時に陸上競技を始め、中学1年生から走幅跳にも取り組んでいる。
 ことし3月にあった第14回千葉県ID陸上競技選手権大会走幅跳で5㍍97の大会新記録を達成し、優勝。5月に行われた千葉県障害者スポーツ大会でも優勝し、全国への切符をつかんだ。松本さんは「初めての全国大会なので、悔いがないように走幅跳は6㍍台、50㍍走は6秒5を目指せたら」と意欲満々だ。

10/22(土)~28(金)映画「ファーストミッション
柏・キネマ旬報シアターで上映

 船橋市出身のアクション監督として活躍する真青ハヤテさんが企画・総監督・主演を務め、松戸市出身で脳卒中患者と家族の支援団体「脳卒中フェスティバル」の小林純也さんが共同企画した映画「ファーストミッション」が、柏駅前のキネマ旬報シアターで10月22日から28日まで公開される。全編船橋ロケで、巨悪に立ち向かうヒーロー兄妹の奮闘を通して、誰しもが直面する「困難への挑戦」と、人を想う気持ちの大切さを描いている。上映時間など詳細は、TEL04(7141)7238同映画館へ。

スイーツ甲子園で貝印賞
野田鎌田学園チーム「ソレイユ」

 全国の高校生がお菓子作りの技術とアイデアを競いパティシエナンバーワンを決める「第15回スイーツ甲子園」で、野田鎌田学園高等専修学校のチーム「Soleil(ソレイユ)」が見事、貝印賞を受賞した。
 決勝大会は9月25日(日)、国際フード製菓専門学校(横浜市)で行われ、東西の予選を勝ち抜いた各2校ずつ、計4校が凄腕パティシエの鎧塚俊彦氏など審査員の前で技を披露した。
 決勝に臨んだのは昨年の優勝メンバーだった豊田結莉さんと、昨年は東日本大会で敗れ決勝に進めなかった白井柚花さん、岩本実優さんの3人で結成した3年生チーム「Soleil(ソレイユ)」。2時間30分の製作時間に思いを込め、昨年同様「クリスマス」をテーマにアールグレイとオレンジ、ミルクチョコレートのムースを使ったケーキで挑戦。「Unity(ユニティ)」と題し、世界が戦争や新型コロナウイルスで苦しんでいる中、平和を願いみんなで協力し合えるようにとの思いを込めた。 3人を指導した岡安亜佐子先生は「完成度の高い作品だと評価された」と喜び、メンバーを称えた。優勝は飯塚高等学校(福岡県)の「Cheerful(チアフル)」。

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