ふなちゃんの音楽ジャングル
青葉市子の誘う世界へ
青葉市子/『アダンの風』
青葉市子。2010年にアルバム『剃刀乙女』でデビューした素敵なシンガー・ソングライターです。クラッシックギターをつま弾きながら歌うスタイルながら、ギターはまったく自己流なのだという……。そして、静寂の中から聞こえてくるような透き通った歌声に、思わず耳を澄まして聴き入ってしまうんです。
細野さん(細野晴臣)のラジオ番組にゲスト出演していた青葉市子が、細野さんの「悲しみのラッキースター」を歌ったのがとっても印象的でした。あれは何年前のことかなぁ……。「これ、さっき駅のお手洗いで練習しました」とはにかみながら言ってたのもキュートだったなぁ……。細野さんは「いっしょに歌おうとも思ったけど、ちょっと遠慮しといたの。もったいないから。」とうれしそうだったんだよね。それからしばらくして、坂本龍一、細野晴臣、小山田圭吾、U-zhaanという豪華ゲスト陣が加わった「青葉市子と妖精たち」によるラジオでのスタジオ・セッション『ラヂオ』がリリースされるんですが、あまりにも素敵で、当時、よく聴いたものです。
そんな青葉市子の7枚目のアルバム『アダンの風』が昨年の暮れにリリースされました。そして、そのアナログ盤が7月に発売されます。“架空の映画のためのサウンドトラック"をコンセプトに作られ、従来の弾き語りのスタイルにとどまらず、共同制作者に梅林太郎を迎え、濃密なサウンドスケープで聴き手を架空の映画の世界へと誘います。さあ、あなたもぜひ!!
船守秀一(音楽プロデューサー・http://www2.odn.ne.jp/obbligato/)