ふなちゃんの音楽ジャングル

桑田佳祐/『いつも何処かで』

　音楽というものは、その当時の光景を、そして私たちの感情を思い起こしてくれます。その人それぞれの想い出が詰め込まれた歌の数々。それを誰よりも多く創り出した桑田佳祐というアーティストはいかに偉大なのか。エバーグリーンなベストアルバムを新しい年の最初にご紹介します。
　ベストアルバムとしては、2012年に発売された『I LOVE YOU -now & forever-』以来となりますが、今回のベストアルバム『いつも何処かで』にはKUWATA BANDの楽曲も含まれ、さらにはこのコラムでもご紹介した話題曲「時代遅れのRock'n'Roll Band」(紅白歌合戦での特別企画は最高でした)や、自身が出演するSOMPOグループのCMソング「平和の街」、そして未発表だった新曲「なぎさホテル」が収録されています。
　中でも「平和の街」はCMそのものが話題でした。キーワードは「今日という日を、楽しむために」。桑田佳祐が演じる「情に厚く、ちょっとお調子者の主人公」を中心に、職場や私生活で起こる出来事を、温かくてユニークな演出で表現されていました。キッチンカーの出店にチャレンジする娘の姿をやさしく見守るお父ちゃんバージョン「娘の挑戦篇」が大好きでした!
　この桑田佳祐の4作目のベストアルバムは、NHK朝ドラ『ひよっこ』の主題歌だった「若い広場」に始まります。“いつも何処かで"多くの人々の生活に今も寄り添っている名曲の数々。もっと昔のヒット曲も聴きたくなってきたぞ!!

船守秀一（音楽プロデューサー・http://www2.odn.ne.jp/obbligato/)