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朝日新聞柏支局長のコラム

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静かな教室

 埼玉県で過ごした小学生時代、給食の時間はにぎやかだった。机をくっつけ、食べながらワイワイガヤガヤ。デザートのフルーツポンチのおかわりは残り数人分。先着順でもらえるのは誰なのか、ハラハラしたのを思い出す。
 1日、柏市でも市立小学校の授業が再開され、給食時間も感染防止対策が徹底された。給食当番はフェースシールドを着け、おかわりを減らすため、たくさん食べたい児童は最初から多めの盛り付けに。席は前後左右に1席ずつ離れ、おしゃべりもなし。教室には箸の音だけが響いた。
 休み時間も3密を避けるため、児童は自分の席にとどまった。前を見つめて黙ったままの児童が目立ったという。
 それでも児童たちはうれしそうだった。「休みの間は外を走って、勉強して、ゲームをしての繰り返し。学校に行きたかった」。そう話す児童の1人は、分散登校で会えなかった友達のげた箱に入れる手紙を書いていた。
 オンライン学習の取り組みが進む中、市教育委員会は教室での学びの大切さも強調する。学んだことを説明し、話し合い、理解を深める。それを繰り返すのが、教師やクラスメートが目の前にいる授業だ。かつて記者も当たり前のように過ごした時間だが、中断してその大切さに気付いた。元の教室の風景に戻る日が待ち遠しい。

朝日新聞柏支局長 石原剛文

   

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