朝日新聞柏支局長のコラム
調査表と顔写真
「何で、そんなことを聞くのか」。統一地方選でも候補者に、経歴を自ら書いてもらう「調査表」を配布し、受け取った紙を見ながら「この会社は何をする会社なのか」などと聞く。すると「新顔」の中には、けげんな顔をする人も多い。身辺調査と思うのだろう。
紙面の略歴掲載に向け、名前を旧字で記してきた人には、多くの有権者になじみのある新字を勧める。経歴は、時系列が前後していたり、名称自体が間違っていたりすることがある。以前の勤務先に電話をし、在籍確認をする。卒業証明書の提出も求める。
顔写真は、国会議員や市長らを中心に撮影、掲載する。かつて福岡で撮影した自民党の派閥会長は、テレビで見る苦虫より朗らかだった。神奈川のある市議は街のポスターより、ふくよかだった。千葉で見た医療の専門家の議員は、顔色が悪く、心配になった。
候補者の発信力は、インターネットの普及で拡大し、その印象と主張は、ずいぶんときらびやかだ。かたや新聞の経歴や写真は、少し無機質かなぁと思うことがある。
統一地方選後半戦と衆院千葉5区補選の投票日は4月23日。ネット情報とポスター、新聞を比べつつ、街頭演説を聞きに行くのは、どうでしょう。それまでの候補者像が変わるかも知れません。
朝日新聞柏支局長 斎藤茂洋