奥山恵さんおススメの本

『つるかめつるかめ』中脇初枝 文/あずみ虫 絵　あすなろ書房
　鶴は千年、亀は万年生きるということから、「つるかめ つるかめ」は縁起直しのおまじない。他にも「くわばら くわばら」「まじゃらく まじゃらく」など、各地に伝わるおまじないの言葉を紹介。天災や人生の不安を乗りこえてきた人々の知恵が伝わるやさしい絵本。(幼年から)


『あおい目のこねこ』エゴン・マチーセン 作/せたていじ 訳　福音館書店
　青い目の元気なこねこが、ねずみの国をさがしにいく。魚や犬にいやがらせをされたり、黄色い目のねこたちに仲間はずれにされたりしても、「なーに、なんでもないや」と進んでいくしなやかさが魅力。こねこを応援しつつ次々とページをめくりたくなる傑作絵童話。(小学校低学年から)


『with you』濱野京子 作/中田いくみ 絵/くもん出版
　中学三年の悠人が夜のランニングで出会った朱音は、病気の母と幼い妹を抱え、すべての家事を担うヤングケアラーだった。ひとり苦しむ朱音に対する大人の役割や周囲の支援もさりげなく示され、実践的な一冊ながら、悠人と朱音のゆれ動く恋愛模様も読みどころ。(中学生から)