2021年7月の話題

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松戸市歴史の面白さ子らへ

紙芝居を持つ小川さん。背後の展示物は昭武が8歳のときに書いた書「志於道」=松戸市戸定歴史館

 江戸幕府最後の将軍徳川慶喜の弟で、次期将軍の有力候補だった徳川昭武は明治維新後、四半世紀にわたり松戸市の「戸定邸」で暮らした。戸定邸に隣接する市の博物館、戸定歴史館学芸員の小川滋子さんが「昭武のことをもっと知ってもらいたい」と原案を手がけた紙芝居のタイトルは「幻の将軍 徳川昭武」。昨年11月に完成したが、新型コロナ禍で子どもたちに披露できずにいる。小川さんは「社会科見学で活用したい。歴史の面白さに触れるきっかけになれば」と話す。

紙芝居「徳川昭武」原案を担当
松戸 戸定歴史館学芸員 小川滋子さん

 昭武は1853年、水戸藩9代藩主徳川斉昭の18男として生まれた。慶喜は16歳違いの異母兄だ。1867年、15代将軍慶喜の名代でパリ万博参加と留学のためフランスへ渡る。このとき、昭武の世話係として随行したのが、のちに「近代日本経済の父」といわれる渋沢栄一だ。昭武は数えで14歳だった。
 江戸幕府の終焉を昭武はパリで知らされる。5年間の予定だった留学生活を中断して帰国。16歳で水戸藩最後の11代藩主となる。松戸に移り住んだのは1884年。狩猟、写真撮影、自転車など多彩な趣味の持ち主だった。昭武が撮影した松戸の原風景ともいえる写真が多数残っている。
 NHK大河ドラマの主人公として渋沢への注目が高まるなか、松戸市は、渋沢と縁の深い昭武を描いた紙芝居を制作した。コロナで卒業式や入学式が中止になった昨春、戸定歴史館の職員で「卒園や入学のお祝いになるようなものをつくりたいね」と話し合い、小川さんが「絵本になれば」と練ったストーリーが、紙芝居の原案になった。
 紙芝居は八つ切りサイズ10枚構成。途中でクイズが2問出題される。小学校の社会科見学や、子ども向けの戸定邸紹介ツアーなどで披露する予定だった。
 小川さんは2016年から戸定歴史館に勤務。昭武が2度のパリ留学中にフランス語で書いた日記の翻訳などに取り組んでいる。歴史に興味を持ったのは小学生時代。考古学者の吉村作治さんが、エジプトで発掘調査をするテレビ番組を見て、「面白そう」と思ったのがきっかけだった。
 「子どものころに受け取った情報は長く残る。歴史は難しいようだが、実はすごく自由な分野。数学のように正解が1つではないところが面白い」と小川さん。子どもたちに紙芝居を見てもらえる日がくるのを心待ちにしている。

 戸定歴史館は、徳川昭武の生涯を所蔵品とともに紹介する図録「プリンス・トクガワ」を9年ぶりに改訂し、5月に発行した。最新の研究成果が盛り込まれている。昭武が数えで8歳のときに書いた書「志於道(みちにこころざす)」も新たに収録。A4判、全80ページ、税込み1400円。

SDGs わが街の一歩 持続可能な開発目標5麗澤中・高がSDGs優秀賞
活動継続にフェアトレード

 柏市の麗澤中学・高等学校が「SDGs探求AWARDS 2020」全国大会の中高生部門で優秀賞を受賞。同校のSDGs研究会「EARTH」メンバーが柏市役所を訪ね、秋山浩保市長に受賞を報告した=写真。
 「今、私たちにできること。」をテーマに、2年以上取り組んでいる小児がん支援のレモネードスタンド活動と、その資金集めのフェアトレードコーヒーの販売活動について、実践的で継続可能な仕組みが作られている点などが評価され、応募総数1953件の中から選ばれた。
 高1の佐久間康太君は「初めての人にも分かりやすいように工夫しました。校内外の人にSDGsを知ってもらえる活動を続けていきたい」と話した。
 オンラインショップも開設し「生徒がデザインしたオリジナルドリップバッグの販売にも力を入れたい」と意欲満々だ。

柏市発電ブランコでスマホ充電
柏神社・駅ダブルデッキに登場

柏神社境内に設置されていた発電ブランコ

  柏神社や柏駅東口のダブルデッキ上に、こぐと発電するブランコが登場した。スマートフォンへの充電設備があり、環境に負荷をかけずに楽しみながら充電できるのが特徴だ。ブランコが振り子になり、軸が回ることで発電する仕組みで、機種により1分~5分こぐと3%ほど充電できるという。利用は3歳以上、体重は100㌕まで。
 柏駅周辺のまちづくりに取り組む柏アーバンデザインセンター(UDC2)が、街中に楽しいシーンを創出しながら、市民にSDGs(持続可能な開発目標)について考えるきっかけにしてほしいと導入した。
 このブランコは、もともとオランダのユトレヒト中央駅で社会実験として設置されたもの。今回は茨城県つくば市の㈱コスタオーラトレーディングが日本第1号として輸入し、柏神社境内を皮切りに、ダブルデッキに7月30日まで設置。この後、市内の複数箇所を移動する予定だという。
 柏神社で発電ブランコを体験した30代の女性は「楽しかった。面白い発想だと思います。身体を支えるのに握力と二の腕の筋肉を使うので、少し疲れました」と話した。
 UDC2の中島知彦ディレクターは「これをきっかけに柏駅周辺に人が憩えるスペースが生まれる足がかりとなれば」と話した。

流山市飲食店の安心安全に
カード7000枚「消毒済み」

(流山市提供)

  流山市は新型コロナウイルス感染症拡大防止策の一環として、座席の消毒の有無が分かる「客席の消毒済みお知らせカード」を作成し、飲食店に配布している。
 カードの表面には「消毒済」の文字と食事中以外はマスク着用を促す文章を記載。裏面には食事が終わったことが分かる文章とイラストを記載し、食事後はカードを裏返して席に置いてもらう。飲食店を利用する際に、店内のテーブルなどの消毒状況が一目で分かり、安心して食事ができるようにと作成したという。
 カードの大きさは縦153㍉、横222㍉で、水濡れ防止のラミネート加工が施されており繰り返し使用できる。7000枚を作成し、配布希望店を募集している。04(7150)6085 同市商工振興課へ。

松戸市松戸市とホワイトホース市
姉妹都市50周年を祝い 「ブラシノキ」を植樹

植樹したブラシノキを囲む第五中のみなさん

 松戸市とオーストラリアのホワイトホース市が姉妹都市を締結して今年で50周年を迎える。これを記念して4月26日、同市立第五中学校で植樹式が行われた。
 両市の交流は1958年、同中の女子生徒がオーストラリア大使に「ユーカリの種をください」と英文の手紙を出したことがきっかけで始まった。2年後の60年に大使がユーカリの苗木を携えて同中を訪問し、校庭に植樹。そのご縁で71年に当時のボックス・ヒル市(現ホワイトホース市)との姉妹都市締結が実現。両市は5年ごとに互いの訪問団を派遣するなど、友好を深めてきた。
 植樹式では、生徒と本郷谷健次市長が成長したユーカリの木の近くにオーストラリア原産の「ブラシノキ」の苗1本を植樹し、締結50周年を祝った。
 2年生の岸本拓海君は「先輩が手紙を書いたことがきっかけになったことを誇りに思う。このブラシノキを大切にして、機会があればホワイトホース市の生徒たちとも交流したい」と抱負を語った。
 本郷谷市長は「お互いを理解し合うことが世界平和につながる。この関係をこれからも続けていきたい」と交流の大切さを話した。
 今年はホワイトホース市の訪問団を迎える予定だったが、残念ながら新型コロナウイルスの影響で中止が決まった。

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